言葉が見つからなくて微笑むしかなくて

2023年10月30日(月)

231030
ご自宅にお伺いして車に同乗させてもらって
少し離れた山手の細い道を登っていった墓地で
納骨が済むのを待ってから納骨回向をしました。

納まるところにようやく納めてもらったけど
この中に入っていたら主人も寒いだろうなぁ…
と小さくつぶやかれた奥さまの言葉が印象的でした。

その瞬間に私と目が合って「お骨だから寒いって
そんなことはないって分かっているんですけどね」
と苦笑いするようにおっしゃったんですよね。

お宅から納骨に向かう際に安置していた棚から
骨壺の入っている箱を手に取られたときに
どこか寂しそうな表情をしておられました。

もうお骨になっていてどこにもいないことは
頭では分かっていてもお骨がそこにあることで
大切なご主人がそこにいると思っていらしたので。

ご主人を感じていたお骨をお墓に納めてしまうと
またご主人と離ればなれになってしまうようで
納骨を済ませたのも寂しく感じておられるんですよね。

ちょくちょくお墓参りして会いに来てください
と言えればいいのですが気軽にお参りするには
お一人ではなかなか難しいところにある墓地です。

随分昔はもっと山の上に墓地があったらしくて
現在地に墓地が移されてきたということでしたが
健脚の方でも歩いてお参りするのは少し大変です。

何と申しあげて良いのか言葉が見つからなくて
しばらく微笑んでいるしかできなかったんですよね。
そうしたら少しして奥さまも微笑んでくださいました。

本当は何が良かったのかなんてわからないですが
何も言わないほうが良かったと思うことにしました。