アンガーマネージメントにお念仏を

2023年10月28日(土)

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オンラインで顔を合わせたご縁のある方々と一緒に
末木文見士著『仏教vs.倫理』(反・仏教学)を
読み進めながら語り合うという集まりがあります。

たまたまアンガーマネージメントの話が出てきて
怒りを覚えるとき脳内では興奮物質のドーパミンが
激しく分泌されるけど6秒で落ち着きはじめるそうで。

だから「南無妙法蓮華経」とお題目を6回唱えれば
ちょうど6秒になるのでぜひどうぞというオススメを
少し前に法話の中で聞いたという方がおられました。

それなら私はお題目のところをお十念に置き換えて
怒りを覚えたら十遍の「南無阿弥陀仏」を称えると
怒りが落ち着いてくると言い換えても良さそうですね。

アンガーマネージメントでは「6秒ルール」というようですが
浄土宗では怒りを覚えたら「十念ルール」ということにして
お念仏を称えて怒りを落ち着かせるというのはアリでしょう。

実際にカッとなって腹を立てたらすぐ怒鳴るのではなく
「落ち着け!落ち着け!」と自分に言い聞かせることは
時と場合とか状況によっては誰しもがあることでしょう。

本当は怒りを覚えずにいられたらそれが一番なのですが
プチンとなっても身体や言葉で攻撃を放つのではなくて
心の中だけに留めていられるだけでも抑えている方でしょう。

心の中だけに留めておけるように6秒待つというのですが
そのときにどう待つかというと秒数を数えるのもアリですが
お念仏を十遍称える「十念ルール」は大いにアリだと思います。

南無阿弥陀仏とは「阿弥陀さま助けてください」の意味なので
「どうぞこの怒りを抑えられるよう助けてください」と願って
十遍ほど「南無阿弥陀仏」と称えるのはお念仏の趣旨から外れません。

阿弥陀さまのお慈悲の光をどうぞ私に照らしてください
そして私の心に湧いているこの怒りをどうぞ鎮めてください
と阿弥陀さまに願うからこそお念仏が出るのは素晴らしいことです。

ということでアンガーマネージメントにはお念仏が良いですね。
もちろん人それぞれでお題目が良いという人もおられるでしょうし
キリストやイスラムなどの神に祈りたいという方もおられるでしょう。

こうした日常の中で自分の心が揺れ動いてしんどい時に
自分の大切な存在に願ったり祈ったりできるようである
というのは信仰を持つ生き方の一つの側面だと思います。

信仰を持って生きている人のアンガーマネージメントは
それぞれの大切な存在に怒りが落ち着くよう祈りながら
6秒が過ぎていくのを待つという方法がいいでしょうね。

今宵は貴重な気づきをいただけたステキなひと時でした♪