お仏壇のお鈴をチーンとしたいのに
2023年8月5日(土)
8月の最初の週末ということで昨日も今日も
初盆を迎えるご法事が割と続いていたのですが
年々お宅よりもお寺でされる方が増えています。
今まで仏事にあまりご縁がなかった方も多く
ご法事のときにこういう時はどうしたらいいか
といろいろなご質問をいただくことがあります。
「お坊さんがたくさん出ているテレビ番組で
お仏壇に置いているお鈴はその家の人たちが
チーンとするものではないって本当ですか?」
ご家族を亡くされて手を合わせる機会ができて
幼い頃にやっていたようにお鈴を打ち鳴らしたとき
ふとテレビでのコメントを思い出したそうです。
仏事については地域性もあれば家の習慣もあるし
ハッキリとこれが正解というものがないので
一概に何が正解で何が間違っていると言えません。
お焼香の回数やお作法については宗派によって
さまざまなやり方が伝えられてきているので
正解があるようでないという良い例だと思います。
それと同じようにお鈴を打ち鳴らすことについて
テレビでコメントされていたお坊さんの言葉を
「それは間違いだ」と否定するのは難しいです。
そこでご質問された方のお心の内を推し量ると
恐らく「朝晩や出がけにお仏壇の前で手を合わせて
お鈴をチーンとしたらダメなんですか?」でしょう。
ご本人に実際チーンとしたいんですよねと尋ねたら
「そうなんですよ」というお返事でしたので
「気にせずお好きな様にしてください」と伝えました。
上で書いたお焼香の回数やお作法についてでも
唯一絶対無二の正解といえるやり方はないので
今までどおりで構わないですと申し添えました。
それを聞いてホッと安堵したお顔で仰いました
「よかった。お坊さんが打ち鳴らすためのものだと
言われていたけど私がしてもいいんですね」と。
家に帰ったらさっそくチーンとお鈴を鳴らして
初盆のお経のご報告をされていることでしょう。