コテンドクショでの対話-17
2023年7月25日(火)
コテンラジオの法人コテンクルーが入れるコミュニティで
指定のテーマ本をもとに興味ある人がオンライン上に集って
自由に語り合うというコテンドクショに今宵も参加しました。
今回のテーマ本はマルクス・アウレリウスの『自省録』でして
岩波文庫の神谷美恵子訳の改訂版と100分de名著とがあるので
両方読めばよかったのですが岩波文庫は入手し忘れていました。
読んでいない人も参加していいというゆるい集まりなので
岩波は読んでないけど100分de名著と同じ岸見一郎さんの
『マルクス・アウレリウス「自省録」を読む』で補足です。
誰に見せるためでなく自分に問いかけ言い聞かせるようにして
つらつらと書き溜めた文章というのが親しみやすいというのが
参加していた皆さんのざっくりとした感想でした。
自分の内面だとか理性だとか哲学的な文言が出てくるけど
キリスト教が広まるよりも前の時代に書かれた手記なので
アニミズム的な世界観が感じられるように思った、とか。
前に読んだ「中動態」の残っていた時代だろうから
自分の内と外という対立構造に目が向くのだろうし
前回の「利他」とも通じるものがある気がする、とか。
他人にどうこうしようとせず自分と向き合っていくところが
どこか初期仏教の発句経とかスッタニパータみたいな感じで
唯識のような世界観に踏み込んでいるようでもある、とか。
栄光が下り坂に入っていく頃の皇帝の悩みというのが
バブル崩壊後の氷河期に悪戦苦闘する悩みに似ていて
いまの日本が状況的にも共感しやすい気がする、とか。
というのが皆さんと対話する中で拾った言葉でもあり
対話中にふと自分の中に湧いてきた言葉だったのですが
最終的には岩波文庫で全体を通して読みたくなりました。
実は手元にあった岸見一郎さんの文章を読んでいて
中に抜粋されているアウレリウスの言葉に触れていくと
ちょくちょく手が止まって読み進められなくなりました。
というのもアウレリウスの言葉を味わっていると
現代風にアレンジして掲示の言葉にしたくなりますが
そう簡単には良さそうな感じにはなってくれません。
あれこれ悶々と悩んでいろいろ考えてはみましたが
少し寝かせてしばらく発酵させが方が良さそうでした。
どんな言葉を綴ることができるか私自身が楽しみです。
ということで今宵も楽しいオンラインのひと時でした♪