母と弟の朝ごはんをつくるひと時

2026年8月10日(月)


お盆参りで伺ったあるお宅でおつとめのあと
ふとお仏壇の脇に目をやると、小さな机があって
ラップされたお供えものが置かれていました。

その机の上には弟さまの遺影が安置されていて
写真の手前には美味しそうに焼き上げたトーストと
コーヒーの入ったカップとゼリーがお供えされていました。

感心して眺めていると「手前にもありますよ」と。
よく見るとお母さまの写真があり、その手前には
カットフルーツと煮野菜などがお供えされていました。

「毎日こうやってお供えされているんですか」と
お尋ねすると「ええ、まあ、お盆までですけどね」と
頭を掻きながら少し照れた表情でおっしゃいました。

お母さまはお盆が近づいてくると毎年お霊供膳を
丹精込めて作ってお供えされていたそうですが
「私はそこまでできないので」とのことでした。

それでもお二人分をお供えしていらっしゃるので
「毎朝こうして作るのって案外時間がかかってね
結構大変なんですよ」と苦笑いしておられました。

「来年からは一つにまとめようかなぁ」とのことでしたが
手間ひまかけて毎朝作ってお供えする時間そのものが
お盆を迎える大切なひと時になっておられるようでした。

亡きお母さまと弟さまは、写真の中だけの存在ではなく
今も一緒に生きていらっしゃるからこそ作っておられる
のだろうなぁと思えてきて、温かな気持ちになりました。

お母さまと弟さまと続けてお見送りされたのですが
独り残ったご自身にできることとして毎朝のひと時が
あることも心の支えの一つになっているのかもしれません。

亡き人とのご縁は、亡くなったら終わるのではなく
毎日の「おはよう」や「いただきます」の中にも
ずっと息づいているんだなぁと感じたご縁でした。