「あとはよろしく」という引き際の美学
2026年6月24日(水)

とある団体で年度の最後となる集いがありました。
その席で長年活動を支えてこられた大先輩が
今回を最後に引退されることになりました。
在籍40年を超える方で、創設期の先輩方とも
接しておられた数少ないお一人でもあったので
いろんな役職を歴任された生き字引的な存在でした。
分からないことがあると気軽に相談に乗ってくださり
何気なく話される言葉のなかにも含蓄があって
入って間もないころは何かと学ばせていただきました。
私自身も先輩のもとで大きな役を経験させていただき
今振り返ると本当に貴重な機会をいただいていたのだと
一抹の寂しさとともに改めてありがたさを感じています。
耳の聞こえのことや心身の健康面のこともあって
引退を決意されたとのことでしたが、正直なところ
まだまだ現役でいていただきたい気持ちもありました。
それでも長年第一線で活動してこられた先輩だからこそ
ご自身の引き際についても考え抜かれたうえで
このたびの決断に至られたのだろうと思います。
集いが終わってから改めてご挨拶したら先輩が
「あとはよろしく」と声を掛けてくださいました。
とても短い言葉でしたが重みのある一言でした。
世の中には肩書きや役職や立場にこだわって
なかなか手放せないようなことも結構多いですが
自ら区切りをつけることは容易ではありません。
始めることにも勇気が要りますが、終わることにも
勇気が要るものでして、長く続けてきたことであれば
なおさら身を引くという決断は難しいことでしょう。
「あとはよろしく」と託して去って行かれた後ろ姿に
先輩なりの美学を感じたと同時に、その言葉の重みを
大切に受け止めてこれから先を歩んでいこうと思います。