思ひわづらふ事ぞなき

2020年4月3日(金)

200403
日に日に新型コロナウィルスの災禍が深刻な状況になっていまして。
大都市圏の爆発的感染が地方都市でもジワジワと広がっているようで。
何だかお葬儀の簡素化が広がってきた状況と似ている気がしています。

他人事のようだった罹患が自分にも及ぶかも知れないという怖れも。
目の前に突きつけられそうなのが次第に実感されるようになるのようで。
何だか死苦を実感しはじめる速度が超高速で迫り来るみたいに感じています。

それでも地球は回って日が暮れて月が昇ってきて。
サクラは満開になって公孫樹は緑を芽吹き始めて。
実は世界は何も変わっていないことだらけですね。

 いけらば念仏の功つもり 死なば浄土へまいりなん
 とてもかくても此身には 思ひわづらふ事ぞなき
 と思ひぬれば 死生ともにわづらひなし

法然上人がいつも仰っていたお言葉の中にある一節です。
生死は仏さまに任せて今できることを精一杯にして生きていく。
それしかないんじゃないかと月を見上げながら思いました。