千年一夜で欠けゆく美しさ

2018年11月24日(土)

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昨夜のラジオ出演で車を走らせた夜道に見事な満月が浮かんでいました。
「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」
と平安貴族の藤原道長が詠んでからちょうど千年の歳月を経た満月でした。

今宵の空に浮かぶ十六夜の月は既に欠けはじめていました。
スマホではうまく写せませんがミラーレスカメラだと撮れるものですね。
絞りとシャッタースピードをあれこれ試したら雲を透けた光でもよく写っていました。

「月かげのいたらぬさとはなけれどもながむる人の心にぞすむ」
法然さまも月の光をお歌に詠まれています。
阿弥陀さまのお慈悲を月の照らす光に喩えていらっしゃいます。

月の光が雲に隠れたと思っていてもカメラにはくっきりと映し出されていました。
私の目には見えていないように思っていても実際は照らされていている・・・
私の目には美しい丸のように見えているけれど実際は欠けはじめている・・・

きっと他にも気づいていないことがたくさんあるんだろうな、とドキッとしました。
千年と一夜の欠けゆく月の美しさに見とれつつも、反省しきりの夜です。